xnq5kq8r7rfの日記

ブログは続けてこそ意味がある?

ブログは今月もトップ10ランキング入り、お買い得な価格で取り揃えています。

[広告] 楽天市場
  • 大判バンダナsize66cmお探しの方へ「ブログO」10配色「綿100%日本製」【お急ぎ発送OK!】【まとめ買い割引有り】【コットンハウス】
  • 見込み客が増える儲かるブログの書き方講座 ブログの記事力完全攻略! [ 武藤正隆 ]
  • ブログ飯 個性を収入に変える生き方 [ 染谷昌利 ]
  • 現役WEBライターが教える人に読まれるためのブログ記事の書き方。【電子書籍】[ 内山健太 ]
  • 新聞記者が教える、なぜブロガーこそ街へ出るべきなのか?地域ブログの書き方。【電子書籍】[ 高田泰 ]
  • 【100円クーポン配布中!】ゼロから学べるブログ運営×集客×マネタイズ人気ブロガー養成講座/菅家伸

1974年のブログ

5年以内にブログは確実に破綻する

 
 
 
 
Side C
 
 
 
 
この世界には不思議な力を持った人達がいる
退屈なその人達は、時に何の力も持たない人達に
退屈凌ぎの『ちょっとした悪戯』を仕掛けては
つまらない世の中を楽しんでいる…らしい
 
 
 
そんなこの世界の成り立ちと…
自分自身に課せられてしまった運命を知ったのは、
約1年前の事
 
 
 
それまで僕は屋敷以外の、外の世界なんて知らなくて、
両親と、屋敷にいる友人達のような仕え人達が
僕の世界の全てだった
 
 
 
男子で有れば着る事の無い、
女子の為の艶やかな着物を着る事も
物心ついた頃から淑やかな所作であるように、
そう教えられて来たのも…
それが僕にとっての当たり前で、
何も不思議には思って来なかったんだ
 
 
 
14の誕生日を迎えるまで、僕は何を恐れる事も無く
僕の世界の全てである、桃の木とたくさんの植物達に守られたこの屋敷で過ごして来た
周りの従者は年上ばかりだけれど、皆優しい
僕には母という存在が見当たらなくて、
それは書物の中にしか存在しない幻で…
だから、この屋敷には男子しか居ない
 
 
 
僕の部屋には聳え立つような本棚が有って、
そこには、どれだけ時間を掛けても
読み切れないくらいの書物が眠っている
 
 
 
14を迎えた日、この屋敷で過ごす人々が集まって、
祝ってもらった
『まだ成人には1年早いので、大々的にせずとも…』
恥ずかしくて、笑って告げてみたら
父は悲しそうな顔をしていた
 
 
 
 
 
 
 
チャンミン、父から大切な話が有るんだが、
聞いてくれるか?」
 
 
 
14を祝う晩餐を終えて、幸せで寝付けなかった僕は
部屋でいつも読んでいる書物を手に取ったところだった
合図も無く入って来た父が珍しいと思い、
招き入れたら、父は僕の運命を、初めて語り始めたんだ
 
 
 
 
 
 
「……そんな…」
 
「すまない、いつ話すべきか毎日悩んで…
私の大切なチャンミンがどうか生き抜くようにと…」
 
「僕は…どうすれば…」
 
 
 
このままここで、
ただただ幸せに暮らしていられるのだと思っていた
僕が、自ら導かれるように茨の道に入り込んでしまったなんて、知る由も無かった
この幸せが、あと2年で終わるかもしれないなんて…
 
どんな表情をすれば良いのかすら分からず、
気持ちを整理する事も出来なくて…
桃色の着物の裾をぎゅう、と握り締めたら
父が優しく頭を撫ぜてくれた
 
 
 
チャンミン、良く聞いておくれ
お前を救えるのはたったひとりしか居ないんだ
…父が、この命を引き換えにしてでも救う事が出来ればどんなに良かったか…」
 
「この世に、ひとりだけなのですか?」
 
 
 
足元が崩れ落ちていくようで、よろめいたら
父に肩を掴まれて支えられた
 
 
 
「そう、ひとりだけ…それが、お前の許嫁だ
チャンミンが呪いから逃れる為には、
女子として生きなければならない…」
 
 
 
僕が胸に抱いているのは、
物心ついた頃から何故か惹かれる一冊の書物
 
龍をその身に宿した少女が
ある時呪いを掛けられてしまい、
己の片割れである、虎をその身に宿した少年と出会い呪いを解いてもらう
 
そんな御伽話
 
 
 
物心ついた頃から何度も何度も引き寄せられるようにして読んでいた『それ』に呪いが掛けられている、なんて知らなかったんだ
そして、書物の中のふたりは、愛し合う事の出来る男女だけれど、僕と、呪いを解く事の出来る許嫁はどちらも男子で…
 
『ちょっとした悪戯』に振り回される己の人生を初めて知って、だから女子のように育てられたのだと、僕は初めて自分の運命を知ったんだ
 
 
 
 
 
......................................................
 
 
 
 
 
この国では、15に成れば成人とみなされて婚姻を結べる
だから、僕を唯一救う事の出来る許嫁の少年と、初めて顔を合わせた
 
 
 
この1年間ずっと、父から、従者達から、
上手く行くように、とたくさんの女子としての教育を受けてきた
元々女子の着物を纏って、淑やかであるようにと言われて来たから、己を『私』と呼ぶようにする事、
間違っても許嫁の前で自分を男子だと言わない事
それが、僕が16を迎えた後も生きている為だからと、
強く強く言われて来た
 
 
 
でも、初めて会った『旦那様』は、
僕と同じような得体の知れない寂しさを抱えた人だと、
そう思った
 
 
 
初めて『外』の人と出会ったからかもしれない
けれども、初めて会ったのに懐かしい気がして…
たくさんの書物の中から、あの書物を選んだ姿に、
旦那様を騙す事なんて出来ないと思った
 
 
 
優しい瞳を向けてくれる『旦那様』
…ユノが、眩しかった
優しい彼を騙してはいけない
僕も男なのだと分かれば、婚姻も破談になると思った
 
 
 
胸に彼の手を導いたら「俺を騙したの?」
そう、昏い色を湛えた瞳で聞かれた
呪いなんて無ければ、友人になれただろうか
でも、そんな事、もう無理で…
ユノをこの屋敷から、僕の運命から解放しなければならないのに、本当は離れたくなくて辛かった
 
 
 
結納を交わす父達の元へ、ユノと急いだ
今ならまだ間に合う
僕はもう、幼い頃にあの書物を開いた時から決まっていたのだから、受け入れなければならない
 
 
 
部屋を開けると、父に招かれた
心の中で『ごめんなさい』そう繰り返して、
小さく息を吸ってから父に願った
 
 
 
「父様…私の願いを聞いて頂けますか?」
 
「私が、可愛いチャンミンの頼みを断る事なんて
出来ないと、知っているだろう?」
 
 
 
優しい父を悲しませる事になるのは、
とても心が痛む事
けれども、だからと言って未来の有るユノを巻き込んで良い訳では無い
 
 
 
「私は、いえ、僕は…男子です
このまま…女子だと偽って
ユンホさんを騙して婚姻する事は、僕には出来ません」
 
チャンミン…!何を言うんだ!」
 
「父様、勝手をするチャンミンを…
どうか、どうかお許しください」
 
 
 
赦しを乞うように手を組んで姿勢を下げて
それから、父を真っ直ぐに見つめた
 
後ろにいる、ユノと、ユノの父上を振り返ると、
父上の表情には驚きなどひとつも浮かんでおらず、
彼もまた全てを知っているのかと思うと気が遠くなった
 
 
 
これでは、ユノがまるで、僕を助ける道具では無いか
悲しい宿命を背負ったのはふたりとも同じなのだろう
けれども、ユノは、僕が婚姻を破談にさえすれば逃れる事が出来るから…
 
 
 
チャンミン、お前は自分がどうなっても良いのか…」
 
 
 
悲しむ父の言葉は胸を抉られるようで、
顔を見る事が出来なくて…
父の、握り締められた拳を見つめた
 
 
 
「…僕は、誰も犠牲にしたくありません」
 
 
 
せめてもの精一杯で、
優しいユノが何の後悔も抱かずにこの屋敷を立ち去れるように明るい声音でそう言って、父に微笑んだ
 
それなのに…
 
 
 
「婚姻を解消するなんて俺…いえ、僕は…
了承していません
姫様は、僕の許嫁です」
 
「ユノ…」
 
 
 
思わず振り返ったら、ユノは小さく頷いて、
僕に優しく微笑んだんだ
 
ほんの少しの時間だけれど、一緒に過ごせて楽しかった
久しぶりに、心から楽しい、と
離れたくない、と思った
 
だから、そんな気持ちを揺らがせて欲しくなんて無い
嬉しい気持ちと不安な気持ち、色々な想いが綯い交ぜになって涙が滲む
 
 
 
「ユノ…ここに来ても、
普通の幸せなんて授ける事が出来ないのに…」
 
 
 
背中にそっと、父の掌が添えられた
 
 
 
 
「普通、って何?
ほんの少しの時間だったけれど、チャンミンと過ごして
俺はとても幸せだった
苦しそうな顔で無かった事に、なんて言われて
そうですか、と言えないくらいには…
俺は、君に惹かれているんだ」
 
 
 
 
父は、僕に言った
虎を宿す少年と、龍をこの身に宿す僕は
見えない何かで結ばれていて、
離れる事など出来ないのだと
それでも、呪いを解くことは難しいと分かっている
友情は芽生えたって、呪いを解くだけの……なんて…
 
涙が溢れて零れ落ちて、
滲む視界の先でユノの笑顔が見えた
 
 
 
チャンミンと、婚姻を結ばせてください」
 
 
 
そう言ったユノが手を伸ばした、ように見えた
目を擦っていたら、足音が近付いて、
着物の袖を掴まれた
 
 
 
「ふたりで話そう」
 
「ユノ…」
 
「夫婦になるのだから、たくさん話をして…
お互いを知らないと…」
 
 
 
ユノは僕を連れ出して、廊下を一緒に駆け抜けた
 
 
 
「ユノ…あなたを不幸せにしたくないんです」
 
「…チャンミンに出会って幸せなのに?」
 
 
 
この呪いは、話せば…
全てが16になる前に終わってしまう
 
心の底から愛し、愛されなければいけない
結ばれなければいけないと
そんな、『ちょっとした悪戯』は
ユノと僕にはあまりにも重たくて、
ユノを友人のように慕ってしまったからこそ、
婚姻を結んでも16になったら僕が消えてしまう…
 
優しいユノに後悔を背負わせたくなくて、
怖くて仕方なくて、優しいユノの腕の中で涙を流し続けた
 
 
 
大好きな甘い甘い、桃の花の匂いは
少しだけ苦い匂いに変わった
 
 
 
「俺はチャンミンが好きだよ
男同士で婚姻、なんて普通では無いかもしれないけれど…何とかなるよ、きっと」
 
 
 
優しいユノを巻き込んでしまった事が苦しくて、
それなのに嬉しいと思う、そんな気持ちすら伝えられない事が苦しかった
 
 
 
 
 
 
 
ランキングに参加しています
応援して頂けたらやる気スイッチになるので
ふたりにぽちっ↓で応援してくださいね

 
 
 
前回までは加筆修正したものなので、
ここから、全て新しいお話になります
ホミンでファンタジー色の強いものは初めてなので、
世界観や、チャンミンの秘密を上手く描いていけるか分かりませんが…
そして、少し(だいぶ、ですね)他とは毛色の違うお話ですが、どういう事なのか想像しながら楽しんで頂けたら良いなあと思っています
 
 
読んでくださりありがとうございます
 
 
そして、ご心配くださっている皆様にも
心から感謝致します
お時間を割いてお声掛け頂いて、
ありがとうございますしょぼん
悲しい意見を見ると悲しくなってしまいますが…
私は元気で、ホミンちゃんが大好きですニコニコ
全て有難く読ませて頂いております
 
 
 
このお部屋の文章の著作権は全て私個人に帰属し
いかなる媒体への転載転記共に禁止致します